この街角で

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秘密の塔

night


山間の小さな小さな村の外れに、その村で 1番高い塔は立っていた。
おじいさんに聞いても、そのまたおじいさんに聞いても、一体何の塔かは分からない。
「わしが小さな時から、そこに立っておったでな。」
村のどんな年寄りも一様にそう言うばかり。

ある年、都会へ出て行った村の青年が、村にひょっこり帰ってきた。
都会で技師になった青年は、村の外れにあった塔の事が忘れられず、仕事を辞めて帰ってきたのだ。

青年は塔をくまなく調べ、何度も測量をし、難しそうな計算を繰り返した。
そして「そんなはずはない。」「だがしかし・・・」いつも独り言を言って歩いていた。

青年は遠くぼんやりと空を見上げて過ごす事が多くなった。
自分の考えとその非現実性の間でいつも揺れ動き、風に流される雲を見つめて長い時間を過ごすようになった。

都会から青年に付いてきた恋人は不安になった。
何を悩んでいるのか、聞きたがった。

青年は悩んだ末に、夏のある日、星がたくさん流れる夜に恋人と丘に座り、静かに語り出した。

 あの塔は、もう何年も何十年も、いや、ひょっとしたら何百年も前に
 建てられたものだ。
 だから、そんな事はある訳ないんだけど ―

青年は、言葉を区切り、心を落ち着けるように、深く息を吸った。

 あの塔は、宇宙へ旅立つ為の発射台だったとしか、僕には
 思えないんだ。



小さな小さな、誰も訪れないような小さな村のお話です。


 * * *

今夜はペルセウス座流星群。
残念ながら、私の住む街では天気が悪くて見られそうもありません。

そちらは、どうですか?


長らく休眠していましたが、星降る夜に久し振りのご挨拶を。

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  1. 2013/08/12(月) 20:32:29|
  2. 未分類
  3. | コメント:2
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コメント

更新おめでとう&ありがとうございます!

星が綺麗にたくさん映っててびっくりしましたよ。
そして不思議なシルエットの塔!
お話を読むうちに本当に宇宙への発射台なのかもと思えて来ました。
ナイス写真&ナイスなお話で想像力がそれこそ宇宙に向けて発射されました!

これからもマイペースでもいいので更新を楽しみにしてます!
  1. 2013/08/15(木) 08:00:19 |
  2. URL |
  3. 銀河径一郎 #7VZ5bVfM
  4. [ 編集]

> 銀河さん

随分とご無沙汰してしまいました。
読んでくれて、ありがとう。
そしてコメントもありがとうございます。

星空を見上げていつもこんなことを考えている訳ではないのですが(笑)、
この話はふっと浮かんだ心象をそのままスケッチしたものです。
気に入ってもらえて、すごく嬉しいです。

また少しずつ色んなストーリーを綴っていきたいと思っています。
改めまして、今後ともよろしくお願いします。
  1. 2013/08/16(金) 21:22:50 |
  2. URL |
  3. air #DEh53EN.
  4. [ 編集]

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