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コーヒーとサンドウィッチ

sandwich



土曜日の昼下がり、いつも僕は君を迎えに行っていた。

ウィークディはお互いに忙しくて会えないから、週末が来るのを、首を長くして待っていた。
本当は朝早くからでも会いたいのに、君が休みの日の朝は起きれないと言うので、会うのは昼を過ぎてからだった。

初めのうちは、待ち合わせをして会っていた。
でも、少しでも長く会っていたくて、僕が君のアパートまで迎えに行く、というパターンがいつの間にか出来上がっていた。

僕は途中の駅にあるファーストフードで 2人分の朝食兼昼食を買い込み、君の住む町へ向かう。
君のアパートに着くと、君はまだ寝惚け眼で、でも心を込めてコーヒーを淹れてくれた。
冬の寒い日も、夏の暑い日も。

どんなに暑い日でも、アイスコーヒーなんて出てこない。
君はアイスコーヒーなんて物の存在を認めないかのように、いつでも淹れ立ての熱いコーヒーを出してくれた。
それでも、君の淹れるコーヒーはいつだって最高だった。

お陰で、僕の土曜日のイメージは深くコーヒーの香りと結びついている。
コーヒーの香りがしてくると土曜日なんじゃないかと錯覚してしまうくらいだ。

君の淹れるコーヒーが飲めなくなった今でも。

  . . .

君は、あの頃と同じ寝惚け眼で僕の話を聞いている。

一緒に暮らすようになった今では、朝のコーヒーを淹れるのは、すっかり僕の役目になってしまった。

君が、コーヒーを飲まなければ起きないから。

「僕は、君の淹れたコーヒーで、土曜日を実感したいのに。」

そう呟いてみたら、君は済ました顔でこう答えた。

「あら、私の土曜日のイメージは、あなたが途中の駅のファーストフード店で買ってきてくれるサンドウィッチだったのよ。」

僕は、口では「やれやれ。」と言いながら、ささやかな喜びを感じていた。

ゆっくりとした昼下がり、光は優しく、外では小鳥がさえずり、傍らに君がいる。
他に何を望む?

強いて言えば、君が淹れるあの酸味の強いコーヒくらいだ。

でも、それと引き換えに、穏やかな朝に君の寝顔を眺める時間を手に入れた、そう思えばそれでいい。

僕は、この何もない日常が、ずっと続くことを切に願った。





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  1. 2007/07/10(火) 03:10:23|
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